SAY-SHOW
冷めたコーヒーで、未来を飲む
SAY-SHOW

About

「冷めたコーヒーで、未来を飲む」は、靴下の片方が見つからない朝や、返せなかった言葉、洗い忘れた皿に揺れる小さな光のような、誰にも報告するほどではない日常の引っかかりを抱えたまま、それでも次の一歩へ進もうとする曲です。映画『リトル・ミス・サンシャイン』から受け取った、完璧でなくても同じ車に乗って前へ行けるような肯定感を、物語そのものではなく生活の体温として重ねました。「ラララ 急がなくていい/遅れてもいい」というフレーズには、誰かの正解に追いつけない日にも、自分の速度で息をしていいという願いを込めています。苦さを消さずに未来を飲むというのは、無理に明るくなることではなく、欠けたままの自分を連れて午後のほうへ向かうこと。少しボサノバの揺れを含んだ軽やかな音像の中で、ありふれた朝がほんの少しだけ生き延びる理由に変わる瞬間を描いた曲です。

Listen

Available on

Lyrics

カーテンの隙間 午前七時
通知のない画面 少し安心
昨日のままのマグカップ
底に残った 茶色い夜

靴下の片方 まだ見つからない
それでも地球は まわってる
「ちゃんとしなきゃ」が口ぐせで
ちゃんと笑うのを 忘れてた

改札前の人波に
僕だけ置いていかれそうで
青になるまでの数秒を
胸ポケットにしまった

冷めたコーヒーで 未来を飲む
苦いままでいい 甘くしなくていい
欠けたレコードみたいに
少し跳ねても 歌は続く

名もない今日が 手を振るなら
僕は不器用に 振り返そう
完璧じゃないこの朝を
連れてゆこう 午後のほうへ

洗い忘れた皿の上
小さな虹が揺れていた
誰にも褒められない光を
僕はきれいだと思った

エレベーターの鏡には
寝不足そうな旅人
「大丈夫?」のかわりに
背すじを少し伸ばした

ラララ 急がなくていい
ラララ 遅れてもいい
失くしたものを数えるより
今ある息を数えてみる

窓を開けること 花に水をやること
それだけで未来は 少しこちらを向く

冷めたコーヒーで 未来を飲む
ぬるい希望でも 喉を通るなら
予定どおりじゃない道に
風が名前を つけてゆく

名もない今日を 抱きしめよう
何者でもない 僕のままで
完璧じゃないこの命が
いちばん遠くへ 行けるように

靴下の片方は 見つからないまま
それでも僕は ドアを開ける
冷めたコーヒーの
次の一口へ