About
「未接続のまま、手を伸ばす」は、映画『サマーウォーズ』から直接の出来事ではなく、「つながっているはずなのに、どこか触れきれない距離」の感触だけを抽出して書かれた曲です。画面越しにやり取りできる時代の中で、名前やアイコンでは確かに結ばれているのに、体温や間(ま)のようなものだけが取り残されていく――その微妙なズレを、孤独としてではなく“ほどけかけたまま保たれている関係”として捉え直しています。サビの「まだつながる」は、強く結び直す決意ではなく、切れかけの線を無理に引き寄せず、その不安定さごと受け入れるための言葉です。誰かと完全に分かり合えなくても、それでも指先だけは伸ばし続けてしまう、その不器用さを否定せずに残すことで、確かさよりも“途切れなさ”を選び取る感覚を静かに描いています。夏の匂いや古い家の軋みのような具体的な手触りを差し込むことで、デジタルの向こう側にかすかに残る生活の重みをすくい上げ、つながることの意味を「届くかどうか」ではなく「離さずにいられるかどうか」へとずらした一曲です。
Listen
Available on
Lyrics
まだ、名前を呼ばないで 輪郭だけでいい 白い窓に、指の跡 消えないまま増えていく 畳の匂い、夏の温度 遠い声がほどけない 番号でしか触れられない それでも、息は重なる 間違いを選んだ夜ほど やさしく滲むのはなぜ まだつながる 切れかけの線でいい まだつながる 名前じゃなくてもいい ほどけないで この指のぬくもりだけ まだつながる 今だけでいい 古い階段、鳴るリズム 誰かの帰りをまねる 画面の向こう、遅れてくる 笑い声に触れ損ねる 「ここにいる」と言えないまま 「まだいる」と打ち込んだ 見えない網に、引っかかる声 ほどくより、結び直す 消えかけた線を、なぞるように もう一度だけ、触れて まだつながる 揺れてるままでいい まだつながる 不完全でもいい 離さないで この夏のざらつきごと まだつながる ここからでいい まだつながる まだつながる